言い伝え・伝承

雷のときの「くわばらくわばら」の意味は?実はこわい語源・伝承を紹介!

雷神のイラスト

漫画やドラマなどで雷がなった際、「くわばらくわばら」と唱えるシーンを見たことがありませんか。

これは落雷や災難を避けるためのもので、日本全国に古くから広まっているまじないです。

京ギツネ

小さい頃にばあちゃんが言ってたな・・



ちょっと古めかしい懐かしい雰囲気を持つこの「クワバラクワバラ」という言葉。

語源の由来は諸説ありますが、有力なものは京都にまつわる言い伝えであるとされています。

京都にある地名「桑原町」が由来


京都市の中心部に「桑原町」という地名があります。

地図で桑原町を検索してみると、京都御苑の南に接する丸太町通の道路上をさします。


実はこの桑原町は現在、丸太通が走っているのみで住居もなければ住人もいません。

一般的に使われない地名・町名というものは区画整理などで消滅してしまうものですが、京都の桑原町は決してなくしてはいけない、こわい理由があったのです。

もともとこの桑原町は平安時代の貴族・菅原道真(すがわらのみちざね)の所有地で、道真の子孫たちが住んだ土地です。

雷がなった際のおまじない「くわばらくわばら」の言葉は、この菅原道真の無念の死が大いに関係しているのです。

菅原道真像
菅原道真

「学問の神様」とされる菅原道真は雷神様!?

菅原道真は幼少期から詩歌の才覚をあらわし、官僚の養成学校にて23歳の時に文章得業生・33歳で文章博士となります。

当時、文章博士は学者の最高位とされていました。

道真は11歳で漢詩を作った

京ギツネ

とても賢い菅原道真は子どもの頃、神童と呼ばれていたぞ



宇田天皇に才能を見込まれた道真は政治家として出世。
革新的かつ善良な政治で多くの人々から慕われる存在となりました。

敏腕政治家として醍醐天皇の時代には右大臣にまでのぼりつめた道真。

出世街道まっしぐら・・と思われた道真でしたが、敵対する政力・藤原時平の手により阻まれます。

道真の活躍をおもしろく思わない時平は、ありもしない謀反論をでっちあげ、道真を九州の太宰府へ左遷に追い込みます。

けっきょく道真は無実の罪を晴らせぬまま左遷から2年後、無念にも大宰府にて生涯を終えることとなります。

道真の死後
京都では災害が相次ぐ


道真死後、京都では洪水や干ばつ、疫病の流行などさまざまな災害にみまわれます。

道真を陥れた藤原時平は39歳で病死。
醍醐天皇の子孫も次々と病死しました。

そして西暦930年7月。
京都の中心部が大変な落雷にみまわれ、皇居である清涼殿にも落雷し多くの公卿や宮人に死傷者を出します。
(それを目撃した醍醐天皇も3カ月後に病死)

そんな落雷の中、一か所だけ雷が一切落ちなかった地がありました。
それが「桑原町」だったのです。

そうして落雷や災害は道真の怨霊によるものだ、と信じられるようになったのです。

京ギツネ

なんと、道真の太宰府での監視役を命じられた藤原清貫も落雷でなくなっているんだ・・!



それからというもの、京の人々は雷がなると「くわばらくわばら」と唱えて手を合わせるようになりました。

非業の死を遂げた菅原道真の怨霊は非常に強いものとし人々に恐れられ、「日本三大怨霊」のひとりとして現代まで語り継がれています。

菅原道真は死後に太政大臣となる

道真の死後、謀反論は仕組まれたものと判明し道真の冤罪は晴れます。

そして清涼殿の落雷事件から17年後、道真の怨霊を鎮めるため北野社において神として祀られるようになりました。

その後も道真の神格化はすすみ、没後90年、一条天皇の時代に太政大臣が贈られました。

現在、道真を主祭神として祀る北野天満宮は太宰府天満宮とともに天神信仰の中心社となり、学問の神様として多くの受験生が訪れる場所になっています。


京ギツネ

「くわばらくわばら」は強すぎる怨念により雷神となった、と言われる道真の霊を鎮めるための人々の祈りだったわけだ

やがて雷だけでなく様々な災いの際のおまじないとして全国に広まったんだね



「クワバラクワバラ」そのほかの説

桑の木に実った桑の実
桑の木の実
甘酸っぱくておいしい


「くわばらくわばら」は道真説が有力とされますが、別の説もいくつかあるようです。

①雷神の子どもが井戸に落ちた際、落雷被害に困っていた農民たちが井戸に蓋をして閉じ込めた。
雷神の子どもは、
「桑の木が嫌いだから”くわばらくわばら”と唱えたら二度と落ちない」
と約束し開放してもらった。

②カイコの主食である桑の木の葉。
養蚕の農家は大切な桑畑に雷が落ちないよう願いを込めて「くわばらくわばら」と唱えるようになった。

類似語「つるかめつるかめ」「まじゃらくまじゃらく」


クワバラクワバラと同じようなまじないがいくつかあります。

雷のくわばらに対し、地震の時は「まじゃらくまじゃらく」と言うそうです。

言葉のおまじないの絵本が売れているようです。
コロナ禍にはこういったものを求める人が多いのかも。


京ギツネ

ちなみに英語だと「knock on wood」と言うらしいぞ!



いいことがあった時、机などの木を叩いて幸運が続くように・災難が起こらないようにと願うちょっとしたおまじないなんだそう。


↓菅原道真の漫画がおもしろい!

京で起こる怪事件に道真が挑む!?マンガ『応天の門』